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2020.2.25(火)

金型工業会 西部支部
第8回技術発表講演会開催。ヤマナカゴーキンがAI活用の金型原価算出技術を披露

日本金型工業会 西部支部(支部長山中雅仁氏=ヤマナカゴーキン社長)は、2月の勉強会として恒例となった金型関連技術発表講演会を18日、大阪科学技術センタービルで開催、33名が参加した。

西部支部でのこの企画は8回目。X線CT測定機を用いた業務改善(カールツァイス)、射出成形金型における冷却管および入子材質の冷却バランスへの影響(CAEソリューションズ)、精密レーザ加工技術による金型補修と焼入れの手法(ジェービーエムエンジニアリング)、機上測定による加工精度の向上と加工時間の短縮(熊本精研工業)と、賛助会員メーカーらが金型にまつわるさまざまなジャンルの情報を提供するなか、正会員で支部長会社のヤマナカゴーキンも講演者として登場。AIを活用した金型原価算出の新技術を披露した。

同社は、冷間鍛造を得意とする金型メーカーでありながら、CAEソフト「DEFORM」の販売・サポートや、最近ではIoTで製造工程の異常検知・危険予測を実現する計測ソリューションも提供するなど幅広く事業展開している。

今回発表した新技術は、中国・上海の子会社が中心となって取組んでおり、「ほぼできあがりつつある」(山本忠司取締役専務執行役員)という。

金型製造原価の算出では、加工費に含むチャージは作業者の能力のバラつきも加味する必要があるが、「営業担当には算出が難しいためベテラン工程設計者に頼むしかなく属人化しがちなうえ、その技能の伝承も難しく、見積もり提出に時間を要して商機を失うこともあった」(同)ことから、同社では90年代から加工実績をデータで残し、Excelで独自の公式に基づいた自動算出などに取り組んできた。

周辺技術の進化により、19年からはAIを活用。これまで20年以上にわたって蓄積してきた加工実績をビッグデータとし、ニューラルネットワークの手法でAIに機械学習を行った結果、「予測工数誤差が旧計算方式と比べて、放電加工では54%改善、マシニング加工では74%改善できた」(同)という。同業者のユニークなアイデアは参加者の関心を集め、質問が相次いでいた。

同社では現在、予測精度の向上とともに、3Dモデルから入力値を自動認識する技術を開発中。さらに「図面を画像認識することで、工程設定もAIで自動化したい」と山本専務は次のステップについても話した。

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