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2019.12.3(火)

トラスコ中山
物流機器フル装備完了。「プラネット埼玉」出荷1日5万件へ

プラネット埼玉 中井専務
初採用のフリーロケーション方式を説明する岡田センター長
73台の「バトラー」がピッキングを効率化
工具業界では初導入の「オートストア」
トラスコ中山(社長中山哲也氏)は11月26日、このほど物流機器がすべて整った同社最大の物流センター「プラネット埼玉」(埼玉県幸手市、以下「P埼玉」)を、機関投資家および報道陣に公開した。将来的には1日5万件の出荷能力を見込んでいる。

23年末に在庫50万アイテム、売上高3000億円を目標に掲げる同社は今、積極的に物流投資を行っている。「キーワードは『省力化・省人化』『高密度収納』の2点」(中井孝専務取締役 社長補佐)で、その象徴であるP埼玉には「考え得る自動化機器をすべて詰め込んだ」(中山達也経営企画部長 兼 経理部長)。

AGV(無人搬送車)や各種自動倉庫をはじめ、バーコードをスキャンすると自動で仕分け先間口の蓋が開く「GAS(ゲート式仕分けシステム)」、納品書の挿入から製函、梱包、荷札の貼付けまで自動で行う「I-Pack(アイパック)」、商品の荷合わせと仕分けを同時にこなす「SAS(システマストリーマー)」、棚が移動可能で通路を削減できる電動式移動パレットラックなど多彩な設備がズラリ。とくに先月に導入が完了した、棚を作業者のもとに運ぶ自走式搬送ロボット「Butler(バトラー)」と高密度収納システム「AutoStore(オートストア)」は、「日本での事例はまだ少ない」(中井一雄取締役経営管理本部長)という最新鋭機器だ。

さらにP埼玉では、フリーロケーション方式を同社で初めて採用。商品の保管場所を固定せずに、入荷検品した時点でその商品のサイズや出荷頻度等から空きスペースのどこに格納するか自動で割り振られる仕組みで、棚には仕切り板1枚で区切られた商品がビッチリ収まっていた。

11月現在、P埼玉の1日の平均出荷件数は9800件。これを約 90人でこなしており、岡田真也P埼玉センター長は「他のセンターに比べ、2〜3割生産性が高い」と胸を張る。同社の試算では、1日5万件を処理するには、自動化していない他のセンターであれば500〜550人規模の人手が必要だが、P埼玉なら280人で済むという。

1日5万件という数字は、ピッキングした商品の一時保管場所となるSASの処理能力に依存するもので、24時間フル稼働時を想定している。

P埼玉の効果を引き出すため、まず、各地のセンターから出荷しているユーザー直送分をP埼玉に集約する。この年末年始で予定している基幹システム「パラダイス」のリプレイスで、その機能を実装させる。「これにより、来年6月くらいには、1日の出荷件数が1万2000〜1万3000件になるとイメージしている」(岡田氏)。さらに、他のセンターで負荷がかかっている作業や、人でなくてもできる作業もP埼玉に取り込み効率化していく考え。

中井専務は「まだまだ試行錯誤の段階だが、P埼玉をしっかり活用して、トラスコの物流の強みをさらに磨いていきたい」と述べた。

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