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2015年5月19日
凄まじいウオン高、チャイナ・ショック。乗れない韓国提唱「政経分離」
韓国の朴クネ大統領就任以来2年余経つが、未だに日韓首脳会談はない。朴大統領は日本の歴史認識問題を対日外交唯一の具とし、就任直後より肝心の日本を外し、米中を初め世界の国々を訪問して日本の非を云い募った。その歴史問題は日米韓の軍事同盟に楔を打ち込みたい中国にたちまち受け入れられ、朴大統領が描く韓国の中国接近が実現する。日本も米国から靖国問題を指摘され、また、昨秋APECでは中国・習近平国家主席との会見で安倍首相はにべもない応対をされた。だが、現下における世界の潮流はまことに激しく変化する。

APECから僅か5ヵ月後の4月22日、アジア・アフリカ会議60周年記念首脳会議に出席するためインドネシアを訪問中の安倍首相は、ジャカルタ市内で習近平主席と会談した。両首脳は、日中の戦略的互恵関係の推進により地域や世界の安定と繁栄に貢献してゆく必要性で一致をみた。また、米国務省のラスキ副報道官代行は5月5日、朴大統領が「4月29 日の安倍首相の米議会演説で歴史問題に関する謝罪がなかった」と批判したことについて問われ、「安倍首相の訪米は大成功」との認識を示し、首相の米国などとの和解に関する建設的なメッセージに感謝していると述べ、朴大統領の批判には同調しない姿勢を見せた。

日本が、安倍首相の強いリーダーシップで日米関係をレベルアップし、日中関係も首脳会談でコントロールし始めたのに対し、反日一本槍の朴外交はもはや色褪せ、与党や有識者から外交孤立、無策、無気力などの批判が相次ぐ。だが、朴大統領は、歴史はしっかりと対応しなくてはならないと、対日政策の転換を求める批判を一蹴した。5月12日、韓国議会は日本糾弾決議を採択した。歴史認識回避と朝鮮人強制徴用の世界文化遺産申請に対する糾弾だ。

ことほど左様に、朴政権の外交は硬直し切っているが、国内問題でも無策を晒し、韓国経済は危機に直面している。韓国はサムスンなど10財閥の関連企業が国内総生産(GDP)の7割を占める。財閥企業に関わりのない一般国民は残りの3割を分け合う。日本とは異質の構図だ。それら財閥がウオン高とチャイナ・ショック(中国企業躍進)の危機に直面している。ウオン・円レートは2012年まで100円当り1500ウオンだったが、直近では900ウオンで4割のウオンアップだ。韓国経済は大荒れの真っ只中にある。日本の量的緩和による景気浮揚策のアベノミクスが始まり円安傾向に入ったためである。円高ウオン安の2010〜2012年頃は韓国絶頂期であり、日本のメディアは「驚異の韓国経済」などの特集を組んで囃した。

さりながらウオン高以上に韓国企業に致命傷をもたらすのは、チャイナ・ショックだ。韓国GDPの2割を占めるサムスンの2014年の通年決算は、売上高が前年比10%減の22兆3000億円、営業利益は同32%減の2兆7068億円、の減収減益となった。業績を牽引してきたスマートフォン事業が中国勢に追い上げられて振るわなかった。韓国・全国経済人連合の発表(昨年12月)では、韓国の6大産業、スマートフォン・自動車・造船・石油化学・石油精製・鋼鉄の世界シェアがいずれも中国を下回った。スマートフォンは30.1%となり、中国のシェア31.3%を下回った。また、韓中の技術格差も確実に縮まった。2010年に2.5年とされていたが、2012年に1.9年、2014年1.4年となった。

そもそも韓国の製品は日本などからの技術移転によるものであり、オリジナル製品はない。だから韓国企業がいくら先行していても、中国などの新興国企業が日本などから技術移転を受けるとたちまちキャッチアップされ技術格差が縮まり、コスト競争力でシェアを失う。至極当然の結果だが、韓国はまさにこの危機に直面しているのである。科学技術インフラが十分でないこの国が希求するのは、先進技術国から新規の高付加価値製品技術の導入だ。早急に朴政権下で激減する日本の対韓投資を復活させたい、と韓国が考えるのは自然の流れだ。

5月13日、朴大統領は、経団連の榊原定征会長ら日本経済界の訪韓団と会談し、日本政府に対し歴史問題で強硬姿勢を固執しながら、民間の経済交流には力を入れる「政経分離」を話した。だが、しかし、である。1965年に締結された日韓基本条約で戦後補償問題は解決済みであり、韓国・韓国人は日本・日本人に対して賠償を要求することが一切できないとされながら、臆面もなく蒸し返される。れっきとした契約が平然と反故にされては、安心して商売など出来るわけがない。また、盗品仏像返還拒否や不意なる民間人出国禁止など、韓国不信が日本に蔓延している限り、「政経分離」などあり得ない。

経済交流を深めるには、先ず日韓両国の政治外交関係の安定化が絶対必要だ。「政経一体」こそ、隣国同士の交流のあり方ではないか。安倍首相はいつでも首脳会談に応じる構えだ。朴大統領は孤高を出て、先ず会うことだ。会って存念を吐けば良いではないか。
以上

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