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2014年8月4日
離米従中の口実、歴史認識問題。叩くべし、朴クネ大統領の無礼
韓国を訪問していた東京都の舛添要一知事は朴クネ大統領との面会を求め、7月25日、青瓦台で会談した。端から期待するところは一切なかったが案の定、首脳会談の開催には触れることなく、朴大統領からいつものように「歴史認識問題」への対応を求められた。舛添氏は一体全体何をしに行ったのか、子供の使いにも及ばない所作に失笑するしかない。

「歴史認識問題」には、日本は「河野談話」や「村山談話」で過去の過ちを詫び、安倍政権もそれらの継承を表明している。何よりも、戦後より今日に至る約70年間、日本は平和主義に徹し,また政府開発援助(ODA)などの活動を通じて開発途上国の経済・社会の発展や福祉の向上に貢献してきた実績を評価する国は中韓の2国を除いて圧倒的に多い。

しかるに、朴大統領は就任後まもなく、米国、中国、欧州を訪問したが、行く先々で日本の政治家の歴史認識に不満を言い募り、日本とは信頼関係が築けないと発言した。かかる行為は「告げ口外交」と揶揄され、むしろ逆効果になったが、恨みは1000年経っても消えることはない、と嘯く。しかし、何ゆえ、朴大統領は対日批判を執拗に繰り返すのか。
それは、世界における米国の存在感低下と中国の目覚ましい台頭と云う米中のパワーバランスが変化したことに起因する。米国は近年、シェールガス・オイルの膨大な産出により、エネルギー資源の大量輸入国から一挙に輸出国に転じた。もはや中東依存の必要性は激減し、「世界の警察官」への執着心が薄らぎ、年々軍事費を削減し出した。一方、中国は年々巨額資金を投じて軍事力を強化し、南シナ海や東シナ海で見せたように周辺国への侵害も厭わない。その上、オバマ大統領は、習近平主席が提案する「新型の大国関係」に関心を寄せ、中国への配慮は並みでない。

その軍事同盟の米国から、軍事大国に変貌する中国に対処するため日韓の軍事協力の強化を求められた韓国は、「丙子胡乱」の歴史認識を鑑みて、歴史認識も出来ず信用のおけない日本と軍事協力の強化などやれるわけがない、との口実で米国の申し出を無視した。「丙子胡乱」とは、400年程前の1636年〜1637年に清が朝鮮に侵入し、朝鮮が完膚なきまで制圧された戦いを云う。中国全土を支配していた明が衰えを見せ、それに代わる勢力として台頭してきた清が朝鮮に臣従するよう求めた。しかし、明こそ宗主国と信じてきた朝鮮は清と戦う準備に入った。これに激怒した清は朝鮮進攻を断行した。

朴大統領が、米国を沈みゆく明、中国を上昇する清と見立てたのであろう、うまく離米従中を実現することを国家戦略とするのは、彼女には自然の考えなのだろう。習主席への接近は日に日に濃密になる。日本の歴史認識問題の共有や伊藤博文暗殺犯・安重根の銅像建立、日本の集団的自衛権行使容認反対を強請る。そして両首脳の双方訪問を成し遂げ、ついに米国のミサイル防衛システムの参加を拒絶した。米日韓の軍事関係にくさびを打ち込みたい習主席は、朴大統領の要望に悉く丁寧に応えてゆく。ここに至っては、米国側に簡単には戻れまい。それには間違いなく、中国の軍事的威喝や輸入規制などの様々なリスクが伴う。

朴大統領は中国の属国に戻りかねない外交を展開するが、内政面でも事態は厳しくなった。韓国経済の最大の屋台骨を支える大手電機メーカー「サムスン電子」が、今年4月から6月までの四半期の決算を発表した。売上高は52兆3500億ウォン(5兆2500億円)で、前年同期比8.9%の減少、営業利益は同24.6%減少して7兆2000億ウォン(7200億円)となった。営業利益は3期連続の減少で、売上高の減少は9年ぶりだ。この結果について、サムスンは、主力のスマートフォンやタブレット端末のシェアを中国メーカーの低価格機種に喰われたことを挙げた。今のところスマートフォンに依存する収益構造を変える手立てはない、と言う。市場をリードする新技術と新製品の開発では米国・ドイツ・日本などの先進国との技術格差を縮められず、先進国と途上国の間に挟まれる危機が現実になった。ちなみにサムスン電子の売上高減による村田製作所やTDKなど日本の部品メーカーへの影響は殆どない。サムスンへの売上高落ち込みは、売上高増の中国メーカーへの売上高増で賄う。

朴大統領は就任にあたって、「国民幸福社会」の実現を掲げ、雇用を重視する方針を表明したが、その実現の前に、従来の財閥グループに依存した成長モデルが行き詰まったと云うことだ。離米従中作戦の具に日本の歴史認識を口実にされては、日本は堪ったものではないが、しかし、そのために惹起した嫌韓や反韓による日本の対韓直接投資の激減(昨年比40%減)は、韓国の産業並びに経済の発展を著しく損なうことは必定だ。

彼女が宣う「歴史認識問題」の狙いをきちんと知って、徹底的にその無礼を叩くべし。
以上

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