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2013年12月24日
2年目を迎えた安倍政権の政策課題。輝いたアベノミクスと外交
日本の2013年は、まさに「回復」の1年であった。つまり経済と外交の立て直しが顕著にみられた年であった。3年以上の貴重な年月を党内抗争に明け暮れ、内政・外交ともに無為無策の故に崩壊した民主党政権に代わって登場した自由民主党・公明党連立の第2次安倍政権は、「長期に亘るデフレと景気低迷からの脱却」を旗印に、経済政策における企業活動重視の姿勢を鮮明にした。大胆な金融緩和をアベノミクス第1の矢として放ち、企業経営に打撃を与えていた超円高を是正する突破口を開き、機動的な財政政策を第2の矢として、沈滞した国内需要にカツを入れ、民間投資を喚起する成長戦略を第3の矢とし、「日本再興戦略」と銘打って、設備投資促進策や次世代インフラ整備、環太平洋経済連携協定(TPP)の推進、農業の活性化など約250項目の措置が盛り込まれた。

「大胆な金融政策」では、安倍政権の推挙で日銀トップに就任した黒田新総裁が異次元と呼ばれるほど大規模な金融緩和策を打ち出したことで、円安傾向が強まり、輸出企業を始めとする企業業績に急速な回復をもたらした。また、「機動的な財政政策」では、2013年の年明けに組まれた13兆円の補正予算によって公共事業が増え、同年の4〜6月期以降のGDPの押し上げに寄与した。

かくて、これまで金融政策と財政政策によって2013年は景況感が大きく高まり、将来について明るさが増すとともに、実体経済にも大幅な改善が見られた。かかる動きのなかで、「成長戦略」は、企業や国民に自信を回復させ、期待を行動に変えて行く。安倍政権は、2014年早々に施策を実行に移してゆく、とする。

一方で、安倍首相は、外交・防衛政策の立て直しを強く訴えた。国益を守り、主張する外交を取り戻し、自由、民主主義、基本的人権、法の支配などの基本的価値を共有する諸国との協力を根幹に、世界地図を俯瞰する戦略的な外交を展開し、国民の生命、領土、領海を守る決意を示した。そのために、外交・安全保障の基軸である日米同盟を一層強化する考えを明示するとともに、アジア太平洋地域において、経済にとどまらず、安全保障や文化・人的交流など様々な分野で先導役としての役割を果たしてゆく、と言明した。

日本と経済や安全保障の強化を行う国を、従来の米国、オーストラリアに加えて、インド、インドネシア、フィリピン、ベトナム、モンゴル、ロシア、フランス、イギリス、中東3ヵ国などを凄まじい勢いで増やし、アセアン10カ国への歴訪も首相就任後1年を待たずに完遂した。中でも、2月にオバマ米大統領と会見しTPP参加を表明しその推進に入ったこと、並びに、10月のAPEC(アジア太平洋経済協力)に引き続き開催された東アジア首脳会議(EAS)で、中国・李克強首相を前に、海域における「力」による現状変更への懸念を表明し、議長声明に海域における「法」による支配の徹底の必要性が盛り込まれ、日本の存在感を示したことは、愈々日本がモノ申す外交に踏み出したものと特筆に値する。

以上のように安倍政権の1年目は、順調な滑り出しを見せたが、真価を問われるのは、2年目の2014年だ。経済をデフレから脱却させ本格的な再生軌道に乗せることができ、政権が公約した2015年に日銀の物価目標と中期財政計画の財政収支目標と云う2つのターゲットに繋げられるか、が試される。

問題は、2013年10月に決定した2014年4月実施の消費税増税によって景気が腰折れしないか、である。カギを握るのは、民間需要の力だ。消費、投資、輸出が確実にふえていくようであれば日本経済の見通しは明るい。消費の如何は、賃金がどこまで上昇するか、にかかるが、12月20日の政労使会議で賃上げ合意したものの拘束力なく効果不透明の状況だ。また、円安になっても輸出がはかばかしくない。すでに海外に生産拠点を移しているためであり、投資も空洞化した国内の工場よりも海外拠点を強化するために行うのが実態で、これでは益々、国内の輸出力は弱まる。ただ、賃金の安い海外に企業ウエイトをおけば置くほど、企業存続に不可欠な技術開発力は確実に減衰するのだが、そこが見えないのが歯がゆい。

国の浮沈のとき、政府は賃上げや製造企業の国内回帰を促す諸策をしっかりと施行すべきだ。需給ギャップを財政政策で埋める手法は、国の借金がGDPの2倍以上に達した日本がとれるものではない。企業活動重視の経済政策をきっちりとやり切らなくてはならない。

外交では、今後も内政不安定が進行する中国との対峙は避けられない。日米同盟を深化させ、日本が中韓両国との対話が出来ない状況が続くことで、日本がアジアで孤立してゆくとの疑念を米国に抱かせないことだ。日韓関係を始め近隣諸国との連携を進化させる年である。
以上

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