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2012年9月30日
中国経済、減速止まらず。法治国家として対峙せよ、無法の中国
8月の貿易統計は、2ヵ月連続の貿易赤字になった。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は7541億円の赤字だった。政府債務危機に直面する欧州向け輸出が落ち込むとともに、最大の輸出国である中国向けが伸び悩んだからだ。日本の輸出に占める中国向けの割合は20%で、米国を上回る輸出先である。中国の工場に素材や部品を送り、そこで組み立てた製品を世界に輸出する構図だが、中国は欧州向けの輸出激減により生産が減少し、日本からの素材や部品に対する需要が低下した。

その中国経済は減速が続いている。8月の国家統計局の製造業PMIは49.2と50を割り、生産活動は縮小に転じた。もとより増産路線を突き進んできた中国は、最終製品の需要ギャップによる供給過剰が常態化し、国内需要の不足分を輸出することで経済が廻ってきた。その輸出が7月に前年同月比1.0%に急減速し、8月も同2.7%増にとどまり、これまで見せた10%を超える伸びには遠く及ばない。ちなみにPMIは、景気の先行きを示す指標の1つで、製造業の購買担当者に生産意欲などをアンケートして指数化したもの。

輸出だけではない。国内需要も弱くなった。7月、8月の名目小売売上高も、リーマンショック後に最も落ち込んだ2009年前半を下回り個人消費も弱含んだ。また、固定資産投資も、リーマンショック後の伸びを下回っている。このため2012年以降、出荷の伸びが在庫の伸びを下回り、在庫が膨らみ、中国の港の倉庫には、石炭、鉄鉱石、綿花などの在庫が積み上がっている。今後、中国は在庫調整を余儀なくされ、生産への下押し圧力を強め、輸入の減少に拍車をかけるものとみられる。

しかし、経済失速は、党大会を控える中国首脳にとって何としても避けたい事態だ。9月8日,胡錦涛主席はウラジオストクAPECで経済回復のためインフラ建設を強化する、と宣言した。それを受けて中国政府は総額1兆元(12兆円)にのぼる港湾、高速道路、地下鉄などの公共投資を認可したが、リーマンショック時の「4兆元」のような大規模な対策を望むべくもなく、物価や住宅価格が上昇する現状では金融緩和も野放図にはできない状況にある。その上、今回認可された1兆元のインフラ建設についても、前回実施の「4兆元」の資金捻出に借金や土地売却で賄った地方政府や過剰生産に苦しむ民間企業から大規模の投資は到底期待できそうもなく、その実現に疑問符がつく。
尖閣問題を盾に、暴徒が日系のスーパ−・コンビニだけでなく、製造企業の電子部品や自動車部品の生産設備を次々と放火し破壊した。過去の反日デモと同じく、中国政府による意図を否定できない。日本製品の不買運動の広がりも懸念される。日本企業による中国への直接投資は、欧米の投資が鈍るなかで伸び続け、今年前半も前年同期比20%近い伸びとなったが、このような破壊が容認されるようでは、日本企業の中国への投資は見直され、今後「チャイナ+1」と呼ばれるアジアへの投資分散化に拍車がかかるのは必定だ。

しかるに、中国が「1人っ子政策」を実施して32年を迎えた。一方で平均寿命が長寿化した結果、65歳以上人口の総人口比がすでに2000年に7.0%と発展途上国で最も早く老齢化社会に入った。現下の減速期を迎えた中国には、中長期的にも険しい経済課題が立ちはだかる。克服するには、世界との連携が益々必要であり、いまや、世界第2位の経済大国となった立場にふさわしい品位と責任のある国に脱皮することが求められる。

それには法治国家への道筋を明らかにすることが必要だ。先ず、日系企業に狼藉を働いた無法者を捜査し法による措置をとるべきだ。そして法治国家である日本も、尖閣諸島に不法上陸した中国人を国内法できちんと裁かなくてはならない。明治24年、来日したロシア帝国のニコライ皇太子を切りつけ負傷させた巡査津田三蔵に対し、大審院の小島惟謙院長は死刑を求める政府の干渉をはねつけ無期懲役の判決を出し、世界に対し、日本は法治国家であることを示した。法治国家は、選挙で選ばれた国民の代表によって制定された法律に則り物事が処理される。そうでなければ、安心していかなる活動も行うことができない。中国に対しても、日本はいかなる時も常に法治国家としての対処をとらなくてはならない。

日本が向き合っているのは、事あれば、常に反日の政治利用を行わざるを得ない不安定さを抱えたまま経済大国になった中国である。中国の無法なる行為には,敢然とした措置をとらなければ、中国のご都合主義にいつまでも擦り寄るしかない。政経について曖昧模糊にするのではなく、物申すべきは大声ではっきりと行う。対中国姿勢を転換する時だ。
以上

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