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2017.8.17(木)

日刊工業新聞社
「トコトンやさしい バルブの本」発刊

「トコトンやさしい バルブの本(小岩井隆著、日刊工業新聞社)」が8月に発刊された。

“今日からもの知り トコトンやさしい”シリーズ(日刊工業新聞社)の一冊で、既に好評発売中の「絵とき バルブ 基礎のきそ(同氏著)」を補完するための姉妹書。

バルブは、流体を搬送する配管の制御機能部品として、発電、各種プラントから水道、水処理、身近な建築設備に至る多種多様な分野で利用されており、いずれの分野でもバルブが配管のキーテクニックコンポーネンツ。

バルブは、配管技術の隠れたキーテクニックとして重要だが、工業製品のため一般にはあまり認知されていない。私たちは知らない内に日常生活の中でバルブ・栓には毎日お世話になっており、このことをやさしく紹介した書籍は、今までほとんど出版がない。 “今日からもの知り”シリーズ本の一つとして、配管やポンプの続刊。200冊を超えるこのシリーズには、水道や蒸気などに加えて最新では、ドローンや元素記号など話題のテーマも出版され、シリーズとしても充実。

 “トコトンやさしい”とタイトルされているように、内容はイラストや図表を用い、バルブとはどういうものか、ルーツ、利用先、取り巻く技術、などを極めて分かり易く解説され、かつ興味深い奥の深い技術テーマ群で構成記載されているため、専門の配管設計技術者から業界の入門者まで、加えて一般(非理工系)の学生まで幅広い読者層に役立つ。日本バルブ工業会も同協会の中期活動方針であるV2020のバルブ広報に沿う書籍として、推薦の言葉を寄せている。

内容(項目)は目次。
第1章バルブは意外と身近にある。
1、身の周りにはバルブがいっぱい 「朝起きて一番にお世話になります」
2、バルブは配管のお巡りさん 「配管で流体を制御できるのはバルブだけ」
3、バルブがもつ3つの機能 「流体を止める・流す・絞る”」
4、バルブで制御できることはこんなにある! 「流量の制御で圧力・温度・液位・分析などの制御ができる」
5、バルブと栓との違い 「配管の末端で流体を取り出す役目のバルブ“栓”」
6、さまざまな流体を流すバルブ 「水道水、燃料ガス、油、蒸気、空気などさまざまな流体が通る」
7、バルブを区分する切り口は多種多彩 「バルブの分類」
8、年間1億個が国内生産されているバルブ 「バルブの生産概要」
9、日本のバルブ工業の発展史 「配管用バルブの総元締め日本バルブ工業会」。

第2章バルブの設計と発展の歴史。
10、鞴とバルブ 「人類最初のバルブは、送風機・水撃ポンプの逆止め弁?」
11、人体の中のバルブ 「人体にはバルブ機能が満載」
12、僧房弁『下町ロケット ガウディ計画』「心臓は逆止め弁で成り立っている」
13、カランと蛇口(給水用の専用栓)「カランは、鶴の嘴、ルーツは製糸産業?蛇口は龍?」
14、コック(止め弁のルーツ) 「コックは、鶏の鶏冠(とさか)、ルーツは古代ローマ時代」
15、日本のバルブ発祥地はどこ? 「最初の日本製バルブは水用工女カラン”?」
16、蒸気の制御に適した「玉形弁」「英国産業革命で開発された金属バルブ、玉形弁」
17、蒸気機関車と潜水艦で活躍していたバルブ 「蒸気機関車と潜水艦はバルブのハンドルだらけ」
18、ボール弁とバタフライ弁の開発と発展 「樹脂とゴムでシール性を改善して発達」
19、シングルレバー式湯水混合水栓、自動水栓 「水温、水量を自動で調整、進化する省エネ水栓」
20、省エネの優れもの自動水栓・洗浄弁 「省エネもここまで進化、自己発電も行う自動水栓」
21、バルブ設計学の発展 「G・H・ピアソンの著書『弁の設計』出版」 。

第3章バルブの種類。
22、配管は流体の搬送道路 「配管という道路の構成部品は管と継手」
23、バルブの大きさの表し方 「管のサイズとバルブの“呼び径”」
24、バルブの呼び圧力と圧力─温度基準 「バルブの公称・許容圧力の表し方『P─Tレイティング』」
25、バルブの圧力損失とCv値 「流体の通過時におけるバルブの圧損はさまざま」
26、正流・逆流を確実に止める「両止め弁」 「止め弁の種類と構造」
27、各種止め弁の特徴 「止め弁は特徴を考慮して選定する」
28、逆流だけを確実に止める「逆止め弁」 「逆止め弁の種類と構造」
29、「自動弁」は省力化・省人化の要 「バルブ遠隔制御で利便性を提供」
30、「調整弁」は安価で省エネルギー 「「ちょうど良く」を実現してくれる自動弁」
31、配管に安心をもたらす「安全弁」 「圧力異常上昇から配管を守る安全弁と逃し弁」
32、蒸気だけをつかまえる装置「スチームトラップ」「配管からドレン水だけを自動排出」
33、配管から空気だけ出す「空気抜き弁」 「水配管から空気だけを自動排出」
34、「調節弁」は計装の要 「流体を自動連続制御する操作端“コントロール弁”」
35、グランド部からの漏れを防ぐ「ダイヤフラム弁」 「パックレスを実現した優れた構造のバルブ」。

第4章産業を下支えするバルブ。
36、下町ロケット(ロケット産業) 「バルブを制する者はロケットエンジンを制す!」
37、高温・高圧(発電プラント)と専用バルブ 「原子力・火力発電プラントの配管には横綱級バルブ」
38、LNGと超低温バルブ 「寒いと材料の靱性が低下するクライオジェニックの技術」
39、燃料電池車用高圧水素のバルブ 「水素ステーションの普及に活躍」
40、ビル設備の給排水を支える 「水道配水管から蛇口まで、トイレから下水管まで」
41、ビル設備の空気調和を整える 「一大専用市場を形成した設備用バルブ」
42、火事を知らせる「アラーム弁」 「消防設備を支えるバルブ」
43、石油精製・石油化学設備で活躍 「石油産業を支えるバルブ」
44、地震に耐える配管とバルブ 「水道事業を支えるバルブ・飲み水の質と量を担保」
45、航海に出たらバルブトラブルは許されない 「船舶産業を支えるバルブ」
46、衛生的な専用配管とサニタリー弁 「食品・医薬産業を支えるバルブ」
47、究極のパーティクル対策「高度洗浄」と「真空」 「半導体産業を支えるバルブ」
48、紙の厚みを決める調節弁の神技 「紙パルプ産業を支えるバルブ」
49、家庭に燃料ガスを届ける設備配管とバルブ 「都市ガス設備のバルブ」
50、ボンベの搬送には欠かせない「容器弁」 「圧力容器を守るバルブ」
51、粉を運ぶ「ロータリー弁」 「固体も砕けば流体になる」。

第5章バルブを構成するいろいろな要素。
52、バルブの接続端 「配管への接続、バルブだけにあるウェハー形」
53、バルブの「圧力」と「温度」 「圧力と温度はどのようなものか?」
54、バルブの材料(材質) 「本体材料と要部材料、適材適所の材料選定」
55、バルブの材料(青銅) 「人類が最初に用いた合金、リサイクルの優等生」
56、バルブを支える金属鋳造技術 「内部に複雑な流路を有するバルブの素形材「鋳物」」
57、密封・シールを実現する技術 「止まりを実現する機械加工技術」
58、ステンレス鋼は万能か? 「ステンレス鋼は、けして錆びないわけではない」
59、強靭鋳鉄「ダクタイル・マリアブル」 「ねずみ鋳鉄の靱性を大幅向上、割れないバルブを提供」
60、重要なシール材「パッキンとガスケット」 「隠れたバルブシールの功労者」。

第6章バルブをめぐる諸問題とその対策。
61、ゼロエミッションへの対応 「バルブからのメタンガス漏洩対策」
62、逆座はオンラインメンテナンスの必需品 「圧力下でも流体を止めずにパッキン交換可能に」
63、ウォータハンマの発生と対策 「バルブから発生する“水撃現象”を洗い出せ!」
64、調節弁のキャビテーション発生と対策 「絞りに付き物“空洞現象”に立ち向かえ!」
65、異種金属接触腐食発生と対策 「バルブ特有のガルバニック腐食現象、金属の固有電位差」
66、管端防食コア内蔵形青銅弁 「鋼管ねじ端を錆びから守る青銅弁」
67、バルブの結露発生と対策 「冷たい水への対策」
68、法規・規格と認証制度 「バルブは法規・規格・認証でがんじがらめ?」
69、信頼性の確保(試験と検査)「バルブの性能・品質を確認して保証する」。

【コラム】
●バルブは配管のイメージキャラクター
●文明開化はインフラから
●バルブトラブルのダントツ1位は「ゴミの噛み込み」
●色付きの水道水はアウト
●火炎を止めるバルブ?「フレームアレスタ」
●環境問題への取り組み。参考文献。

筆者は、バルブメーカの東洋バルヴ及びキッツに勤務、長年バルブ製品開発やマーケッティング業務に従事する傍ら、「新版 バルブ便覧」や「新 初歩と実用のバルブ講座」、「配管・バルブ べからず集」、「建築設備配管工事読本」など多くのバルブ・配管に関する専門書籍の出版に共著参画している。

価格は1500円(税抜)。A5判・並製、160頁。
https://pub.nikkan.co.jp/books/detail/00003197
日刊工業新聞社出版局TEL:03-5644-7410、FAX:03-5644-7400.。


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