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2017.5.16(火)

中部超鋼会
5月12日、平成29年度の総会を開催


富士精工 熊本工場内見学
冷間圧造工具などの団体・中部超鋼会(理事長松本優造氏)は5月12日、熊本市内の三井ガーデンホテル熊本において平成29年度の総会を開催、平成28年度事業報告、同会計報告、平成29年度事業計画、同予算案などを審議、了承された。

当日は総会に先立ち、顧客のニーズの応え刃先からホルダまでをトータル提案し「生産ラインの課題解決に貢献」する富士精工(本社豊田氏、社長森誠氏)・熊本工場(熊本県菊池郡大津町室1613)を見学、モノづくり現場の技術、生産効率アップへの取り組み、熊本地震を体験してのBCP(事業継続計画)強化などを聞いた。

『緑のロマン工場で精密工具を生産』
富士精工・熊本工場は金額ベースで国内生産の半分を担う主力工場。自動車産業界を中心とした特殊ホルダや高精度刃物などを生産しており、主な生産品目は高能率加工、省人化・省スペース化・ダウンサイジング化向けのツールとして富士クイックチェンジシステム、一発加工用OSツール、一体型ミーリングカッタ、1パスホーニングリーマ、GPTドリル・TFHドリルを、高精度加工向けに刃先径の調整が超精密・簡単なにできるGPツール、自動径補正ツールQTツール、エンジンのシリンダヘッドの仕上げ加工を行うバルブフィニッシャー、真円Zリーマ、G7Xドリルなどを提案、提供している。

工場は前会長の森清氏の「緑のロマン“森の中に工場を。マイスターを育てる”」を理念に作られ、1984年から操業を開始。工場敷地面積は約2万8千平方bで、周囲を囲む山林エリアは約2万平方bとまさに、緑の工場そのもの。現在第3工場まで拡大、第1、2工場では主に特殊工具ホルダの製造、第3工場ではロボットでの自動加工を中心にドリル、PCD、チップ、バイトなど工具の製造を行っている。

加工は設計室で図面を基に3DCAD化を行い、加工シミュレーションなどの検証後、CAM化、機械に指令を出し加工する。また一品物の工具などは熟練技能者が倣い研削盤などで最終仕上げ加工などを行う。納期は製品により異なるが工具で1〜1.5W、ホルダは1M程度の納期。
現在、従業員数は145名(内女性は36名)。生産設備以上に力を入れているのが福利厚生施設という。バスケットができる体育館や、野球グランド、散策のできる林道など、リラックス・健康空間を充実させている。

『BCPをさらに進める』
昨年4月の熊本震災では同工場も大きな被災を受け、その後一層BCPに力を入れる様になったという(土肥雄一工場長)。

震災時には250台の設備のうち230台が被災。建屋は耐震基準の建屋のため破損はなかったが、工場と建屋をつなぐ連絡路やシャッターが壊れ、また水回りや電気関連も破断した。ただLED化を進めていたため、ガラスの飛散はなく、機械修復後は社員総出の復旧もあり、第3工場では3週間後、ホルダ工場でも5月6日には製造を再開できた。
見学後松本理事長が「我々もこの経験談話を持ち帰り勉強、災害対応を強化したい。日頃の気遣いがないと早い復旧はできないと実感」とあいさつ、工場見学を終了した。

その後ホテルに移動、夕刻、総会を開催。総会に先立ち松本理事長が「富士精工の工場見学で気づいたのは、人への気遣い、福利厚生などが、あの災害時に団結力を生んだということ。我々も社員、仕入れ先、協力工場尚連携を大事に構築してゆきたい。

景況は不透明で、特に昨秋以降輸送機産業は落ちている感じだが、今後の見通しは景気循環から、夏以降回復すると期待。ただ原材料上げの不安もある。客先、仕入れ先などとの対応をしっかりとし、各社の固有技術を生かし、誠心誠意の立場を貫けば、乗り越えてゆける」とあいさつ、議事に入り各案を審議、原案通り了承された。役員改選では理事長、西川副理事長の留任を決めた。

また今年は年2回以上の工場見学会や研修会の実施、各企業の若手社員の参加できる催しなども行ってゆくことを確認した。

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